自費出版は、「自分の小説を作品として形にしたい」「力試しに書籍化し販売したい」とお考えの方におすすめです。小説を出版社へ入稿する際、文章のクオリティを上げるために行う作業について理解を深めておきませんか?小説を自費出版したい方に向けて、校閲と校正の違い、誤字脱字を含めた文章の誤りを無くす校正のコツなど、作家希望者に役立つ情報をご紹介します。
小説を自費出版するまでの工程として、校閲や校正があります。似ているようですが、作業の目的や内容は異なります。
「校閲」とは、文章内の情報に誤りがないか、内容に矛盾点がないかを確認することです。校閲は主に「素読み」と「事実確認」の作業に分類されます。「素読み」は、全体的な内容や表現が一貫していて矛盾がないか、誤字脱字が無いかを第三者の目で客観的に判断することです。
「事実確認」は、小説内の人名、地名、固有名詞、歴史、事件、法律、科学、数字のデータ類など、あらゆる情報が正しいかどうかを書籍、インターネット、新聞等の資料から地道にチェックしていきます。
一方、「校正」は、文字や文章の正誤を確認していく作業です。ひらがな、漢字、熟語、ことわざ、言葉の表現など、正しいかどうかを判断していきます。校正は主に「突き合わせ」「赤字照合」の作業に分かれます。「突き合わせ」は、元原稿の小説と出版社の制作物を見比べ、一字一字誤りを入念に探していくことです。
「赤字照合」は、入稿した原稿、初校、再校、再々校…と順に進んで手直しした箇所=「各段階での修正点」が正しくなっているかを確認していきます。つまり、「赤字照合」は修正点を中心にチェックし、「突き合わせ」は小説内の文字全体を正誤確認する作業です。
小説を入稿し自費出版するまでに、校閲と校正はとても重要な作業です。小説の読者は、信憑性に欠ける知識や疑問を感じる作品に不信感を持ち、自然と敬遠しがちです。校閲や校正を経て初めて、自費出版の小説が完成形になると言っても過言ではありません。
次に、少しでもスムーズに小説を自費出版できるよう、校正するコツをご紹介します。
こちらはメディア論で著名な「マーシャル・マクルーハン」が、実際に被験者で研究した結果で、科学的根拠が証明されている方法です。人が誤字脱字を見つけやすいのは、モニター上の画面ではなく、「紙で確認する方が向いている」という研究結果でした。
つまり「反射光」の紙は、人間の脳がミスを見つけやすいチェックモードになるため、校正向きになるのです。
つまり、脳が全体の流れを受動的に受け止める認識パターンになり、文章の細部を確認することには向いていないのです。
同じ小説を確認する時でも、「反射光」と「透過光」の違いで、校正に差が出てくる可能性があるのです。
熟練のプロも行っていることですが、最初から小説を順番に読まないことです。内容は一旦置いておいて、章をバラバラに読む、または最後から逆に読んでみましょう。内容を順番に追っていると脳内にイメージが湧き、どうしても文字チェックがおろそかになってしまいます。誤りを確認する時は文字に注目し、あえて順番に読まないようにするのもコツの一つです。
校閲時も校正時も、素読みは大切です。実際に声を出して読むと、文章のリズムや言い回しの疑問点に気がつく時があります。目で文章を滑らせるだけでなく、口で言葉に出して読んでみることをおすすめします。
自分では完璧と思っていても、気がついていない点があるかもしれません。そんな時は、客観的な目を持つ第三者に小説を見てもらいましょう。おすすめはプロの編集者や、普段から読書量の多い人に確認してもらうことです。
何度も続けて読んでいると、人間の集中力は途切れがちになります。時には休憩を挟み、視点を変えて改めて読むことが大切です。時間を置くことで気分的にも余裕が生まれ、頭も冷静になります。そうすると、思わぬ点に気がつくこともあるでしょう。
校正は校閲と同じく、小説を自費出版する際には必要で、どちらも根気のいる作業です。校正のコツを掴むことは、小説のライティングスキルを向上させることにもつながりますので、ぜひ覚えておきましょう。
インターネット上で、一度は誤字脱字のある文章を見たことはありませんか?興味を持ち読み進めていた文章が、誤字脱字により一瞬で信憑性を欠いてしまうことも少なくありません。
便利な反面、様々な情報が蔓延している現代社会では、そういった文章の正誤が問われています。誤字脱字は、読者が書籍や記事を信頼して見続ける大事なバロメーターの1つになるのです。
記念すべき自費出版の小説がそうならないためにも、膨大な作品をその都度的確に処理してきた編集者がいると安心です。校閲と校正の強力サポートを得て初めて自費出版の小説が多くの読者の目に届くと言えるでしょう。
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