一冊の本がどうやってできるのか、リーブルから出版された本のそれぞれの背景と合わせて、
リーブルがこだわった編集やデザインの現場をご紹介してきます。
ジャンルの違いや、お客様の境遇……本の数だけ本作りのドラマがあります。
- 『鳥たちの日々BIRD DAYS』
- 著者:和田剛一
- 『不登校は1日3分の働きかけで
99%解決する』
- 著者:森田直樹
- 『希望まめだ先生と朝倉ゼミナール』
- 著者:森 尚水
- 『学校の記憶と再生
かつて高知県には709の小中学校があった』
- 発行:高知ミモザの会
- 『私のCHIT-CHAT物語
My CHIT-CHAT STORY』
- 著者:関田孝司
【アートディレクターのプロフィール】
島村 学
アートディレクター兼デザイナーの島村学です。私は高知で生まれ育ち、高知の土地と食べ物をこよなく愛する生粋の土佐人です。
子どものころから好きな授業といえば「図工」でした。小学3年生のとき、地元のポスターコンクールに作品を出展したところ、銅賞という自分にとっては嬉しい賞を受賞したことから、ポスターなどの「デザイン」が好きだということに気づき、それからずっと「デザイン一筋」で生きてきました。グラフィックデザイン、建築デザイン、プロダクトデザインなどあらゆるデザインに興味があったため、大学では建築関連のデザインを学び、就職ではグラフィックデザイナーの道を選び、大学卒業後、現在のリーブル出版に入社しました。
現在は主に、出版物とパンフレットを中心にデザインやディレクションを行い、ときには編集までも行っています。私は、出版に携わるこの会社に入ってからもっと本が好きになりました。現在では、熱烈な読書家から比べると読書冊数は多くありませんが、月に4〜5冊ほど読んでいます。中でも小説が好きで、お昼休みにランチを食べながら読むことが多いのですが、人知れずニヤニヤしたり涙を堪えるのに必死になったりしています。物語に感動し、それを紡いだ作家を尊敬してやみません。今ではデザイナーをやめて編集者を目指したいと思うこともあるほど本が好きになりました。
弊社の装幀の多くは、そんな「本好きデザイナー」の私が手掛けています。装幀は、その本の良さをうまく引き出せているかどうかが重要だと思っています。印象的な部分を探し出し「ドキっ」とするような衣装を着せる。そのことで本はより魅力的に見えてきます。そのために内容を読み解き、その本の良さを整理した上で、デザインや帯文に落とし込んでいます。ちなみに帯文も私が考えることが多くあります。 本は著者にとっても読者にとっても宝物となる大切なものだと思っています。装幀をする際、私はまずひとりの読者として本に触れ、そしてデザイナーとしてまだ卵の状態の本に命を吹き込む作業をしていきます。そこには独特の緊張感と幸福感があります。この思いは本を好きになればなるほど強くなり、同時に本に携わる幸せも日々増していくように感じています。
1965年に印刷会社として始まった弊社は、1997年に出版部を立ち上げ、以来「出版と印刷を通じて社会に幸せの種をまく」をモットーに、感動を与える本づくりに励んでいます。弊社で手掛けた本が、著者や読者に感動を与えいつか誰かの宝物になることを願い、私は今日も装幀をしています。