先日、上野の森美術館にフェルメール展を見に行ってきました。事前に公式ガイドブックと雑誌の特集号で予習をして行きました。実物を見ると、「牛乳を注ぐ女」や「ワイングラス」などは本の画像より明るく、しっとりと鮮やかで印象が異なりました。実物の方がずっと素敵でした。三百数十年前の作品ですから、本の画像のようにくすんだ感じは致し方ないと思っていました。印刷の再現性は難しいものだと痛感しました。
今回の写真集の初校版は、私のパソコンのディスプレイで調整した色味、明るさ、解像感とだいぶ違っていました。文章で表現して、画像イメージがうまく伝わるか不安でしたが、一枚一枚細かく注文をつけさせていただきました。再校版では意図通りに変わっていました。しかも調整の仕方について、いくつかのご提案とその実物もいただきました。これが出版社の実力の証しであると思いました。その後、若干のチューニングをした上で出版となりました。
完成した写真集をお送りしたみなさまからは、「印刷が自然な色味できれいだ」「ページ構成が変化に富んでいて見応えがある」などの印刷品質を称える感想をいただいております。
本の写真集完成後、電子書籍版を迅速に安価に作って、アマゾンキンドルに出品していただきました。本の写真集と電子書籍版の写真集をセットでやっていただけるのも、大変ありがたいことでありました。