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3度目の経済産業大臣賞受賞!

仏画集第四集

2年ぶりに開催されたジャグラ作品展(日本グラフィックサービス工業界)で、

弊社の『仏画集第4集』が最高賞である経済産業大臣賞を受賞しました!!

同賞の受賞は3度目となります。これもひとえにお客様が弊社の品質を信頼して、ご依頼いただいたお陰だと思っております。本当にありがとうございます。

以下は受賞に際して『ジャグラ会報誌』に投稿した文章を掲載いたします。

 

■お客様の期待以上を目指し続けて

この度は令和2年度ジャグラ作品展・出版印刷部門において、名誉ある経済産業大臣賞を賜りまして誠にありがとうございます。弊社では日ごろより、お客様にとってよりよいものを提供しようと試行錯誤を繰り返しておりますが、この度そのことが評価され、担当者をはじめ社員一同感激いたしております。

そして大変嬉しいことに、弊社では同作品展・経済産業大臣賞受賞は、今回で3度目となります。最初は2012年に絵本『ひかるもの』で受賞。2度目は2016年にモノクロ写真集『炭都〜ときの欠片と追憶の光〜』で、そして3度目が今回の画集『仏画集第4集』での受賞となりました。絵本、写真集、画集。弊社が得意とする「グラフィック系出版」の三本柱であり、それらすべてにおいて評価をいただけたことは、非常に嬉しく感慨深いものがございます。

今回の受賞作品である『仏画集 第4集』は、作者・木村悦様が、水彩で描かれた仏画作品をまとめた作品集で、その名の通り4集目にあたる作品集です。仏画は絹の生地に水彩で繊細に描かれており、それらを撮影し作品集としてまとめさせていただきました。

『第4集』の説明をする前に、『第1集』がどのような経緯で出版に至ったかをお話させていただきます。

 

■選ばれた決め手は1度目の経済産業大臣賞

作者である木村様は10年ほど前より、趣味で水彩仏画を描かれておりました。そして一定数作品を描きためた際に、それらを作品集として1冊に纏めたいと考え、そのためのよい出版社を探しておられたそうです。しかし、どのように探せば良いか迷い、娘さんに相談されたそうです。相談を受けた娘さんがインターネットで画集や写真集を得意とする弊社を見つけ出し、お問い合わせをいただいたのです。その際の決め手となったのが、当時弊社がHP内で掲げていた「ジャグラ作品展 経済産業大臣賞受賞!」(1度目の受賞)の文字だったのです。そしてお母様に「リーブル出版というところが、大臣賞を受賞していて綺麗に印刷してくれそうだよ」と進言いただいたそうです。

そして、木村様よりお電話があり、画集担当である私が東京のご自宅にお伺いし、お話をさせていただきました。

作品を拝見すると、すべて絹の生地に描かれタッチや色合いがとても繊細でした。そしてすべて立派な額装が施されていたため、作品のスキャニングは困難であると判断いたしました。そこで、弊社提携のカメラマンと相談し、木村様のご自宅で全作品を撮影することとしました。ただ、額装は残しつつもガラスのみを外す作業が大変でしたが、なんとか全40点を撮影し、それらをもとに第1集目の初校原稿を完成させました。その後は大幅な変更はなく、1集目が発刊されました。

その後も木村さまは精力的に絵を描き続け、毎年40点ほどの新作を完成させ、およそ1年おきに作品集を弊社にご依頼いただき、大変感謝いたしております。そして今回の『第4集』について、ご本人より「高齢のため今回で最後にしたい」とご依頼があったのです。

 

■作品点数少ないが、集大成として豪華に

「最後の作品集だから豪華にしたいけど、いつもの半分しか絵がないの」というお話から今回の依頼は始まりました。1集目から3集目では毎回40点ほどの絵が掲載され、90ページほどの作品集を製作しておりました。しかし今回の絵の点数は20点。これをもって集大成として豪華に見せるするためにはどうすれば良いのか。

そもそもこれまでの作品集も比較的豪華な仕様でした。A4サイズのハードカバーに、表紙タイトルは銀箔押し。本文用紙もこれ以上ない発色の良いものを使用していました。作品点数が減ったとしても、集大成として豪華に見せるためには、工夫が必要でした。

まずはページ数を増やす方法を考えました。1作品を、額装を含む写真と、額装を外したアップの写真の両方を掲載することにしました。

しかしまだページ数は足りません。そこで巻末に、これまでの1集目から3集目までの作品をすべて集めた総集編となる章を設けました。さらには章扉を別丁扉(ラシャ)にし全章すべて色を変えた上で、章タイトル全てを銀箔押しとすることで、ボリューム感に加え、ゴージャス感もアップさせました。

 

これでページ数の問題はクリアしましたが、もう一押し何かインパクトが欲しい!と感じたため、金屏風に描かれた作品に目を付け、その屏風部分に金色箔を使うことを考えました。すると担当デザイナーから、マイクロエンボス加工の箔押しにしたらどうかというアイデアが出てきました。単調な箔ではなく、本物の屏風のような風合いが演出できるため、華美になりすぎず、高貴で上品な印象を与えることができるとのこと。試してみるとこれは非常に効果的で、豪華さはあるものの作品を邪魔しないものでした。作者も非常に感激しておられました。

 

■背景のトーンを合わせることで、落ち着いた印象に

作品はほとんどが白いシルクに描かれています。撮影した作品をそのまま掲載すると、どうしても背景の白地にムラが生じてしまいます。それでは一冊の画集としての安定感に欠け、品格を下げてしまいます。そのため1点1点の仏画を丁寧に切り抜き、背景を白にした上で、あらためて絹色に着色しています。そうすることで作品のトーンが一定とななり、上品な仕上がりとなっています。そういった、一見すると気づかないような細やかな気遣いの積み重ねが、実は非常に重要だと感じています。

これらにより、作品点数が少ないながらも、集大成として見応え十分な画集として仕上がりました。完成した作品集をご覧になった木村様は、非常に感動しておられ、これほどのアイデアが詰まった作品集になるとは思いませんでした。とお声かけいただき、期待以上を目指した試行錯誤が報われたと感じました。

 

■きっかけはジャグラ経済産業大臣賞

弊社は1997年に出版事業部を立ち上げ、県内のお客様を中心に本づくりをしてきました。そして2013年には、インターネットを通じて全国に向けた自費出版事業を開始しました。四国・高知というロケーションにありながらも、日本全国のお客様からご依頼をいただき、なかには海外のお客様もいらっしゃいます。ありがたいことに事業開始当初から多くのお客様よりお問い合わせをいただき、早い段階から事業が軌道に乗りました。その要因の一つが、ホームページ内に掲げた「ジャグラ経済産業大臣賞(2012年)」という肩書きでした。それが、写真集や画集といった印刷技術を重視するお客様の目に止まり、今日に至っています。

そして、高知にいながら全国のお客様に満足いただくため、「著者に寄り添う本づくり」をモットーに、出張での打ち合わせや、お電話、丁寧なメール対応など、様々な力を尽くしてきました。

先日、今回の受賞の吉報を、作者・木村様に報告させていただきました。すると「あの大臣賞ですか!?」と大変驚かれておりました。弊社の1度目の同賞受賞をきっかけに、木村様は弊社を選ばれ、ついにはご自身の作品集で同賞受賞となったことを、とても喜ばれておられました。

コロナ禍となり社会は様変わりしていますが、著者の気持ちに寄り添う姿勢は変わることはありません。これからも一書一書丁寧な本づくりを続けていきたいと思います。

 

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