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出版STORY『ギザギザハートのアスペルガー』

ギザギザハートのアスペルガー
著者:臼井志乃
手記:中原慎太
価格:(本体1,300+税)

●ジャンル:手記
●サイズ:四六判
●ページ数:162P
●制作期間:4カ月

 

[こだわりポイント]ダイジェスト


入稿時にはまだタイトルが決定していませんでしたが、
ちょっとしたきっかけから生まれました。

著者の臼井様が、薬剤師として発達障害の青年と過ごした記録を本にしたいと原稿を持ち込まれ、弊社と共同での編集過程を経て、発刊する運びになりました。
初稿ができあがり、著者と、弊社社長、デザイナー三人で装丁のための打ち合わせをすることになったのですが、実はその際には、まだタイトルが決定していませんでした。
タイトルを考える上で、どんな性格の本として世に出すべきか、どんな人に手に取ってほしいかなどを著者とともに洗い出していきました。
「なんかちゃうな」「GIFT」「生きづらい」といったワードが見えます。
発達障害に興味を抱かなかった人にも手に取ってほしいこと、手記を書いた慎太君の当初の異様な雰囲気を表現したいことなどを踏まえ「コミカルでポップな印象」「異様な雰囲気」「愛らしさ」といった方向性が浮き上がってきました。
そんななか、社長坂本が挙げていたタイトル用キーワードの中に「理解してとは言わないが…」というものがありました。それを見た臼井様が、「ちっちゃな頃から悪ガキでー♪」と歌いはじめ、そこから、最後に「ギザギザハートのアスペルガー♪」と二人でハモりながら、今回のタイトルが発案されました。
タイトルは、そのポップさが、今回の方向性に合致しているとして見事採用に!

初回打ち合わせ時に、デザイナーがスケッチブックに描いたメモ


タイトルが決定すると、
その後は面白いようにすすんでいきました。

「表紙にはポップさを強調するため、主人公のイラストを入れましょう!」とデザイナーから提案させていただきました。
「だったら、依頼したい人がいます」と臼井様。
「高知出身のフィギュアイラストレーター・デハラユキノリさんにお願いできませんか?」と逆にご提案いただきました。
「異様さ」と「ポップさ」でこの方ほどの適任者はいないと考え、すぐにオファーさせていただきました。


デハラさんとは意見交換をしながら、ラフスケッチを描いていただきました。

そして、ラフをもとにフィギュアが完成!素敵!

 

そして、タイトルロゴもできる限りポップにしたいと考え、そのロゴデザインに取りかかりました。

スケッチブックにレタリングしながらデザイン案を練ります。


素材が全て揃ったので、
本格的に装丁にとりかかります。

デハラさんよりフィギュアが完成したとの連絡を受け早速、装丁にかかっていきます。
タイトルロゴとフィギュアを組み合わせながら、模索します。

色味や、ロゴタイプ、フィギュアの扱い、帯文の内容など、様々なタイプをご提案させていただき、結果、下記案に決定し、発刊となりました!

 

余談ですが、どんな表紙になるか心配される臼井様に対し、「大丈夫ですよ。心配しなくても変な表紙になりますから!」と、珍妙なフォローを入れさせていただきました。
臼井様が願う、「異様でポップな雰囲気」は、このタイトルと、デハラさんにフィギュアを依頼した時点でほぼ叶うだろうと考えていました。あとは、私がその良さを壊さないように、丁寧に仕上げるだけだと思っていましたので、誠実に仕上げさせていただきました。


印刷にもこだわりが溢れてます。
カバーには蛍光ピンク、本体表紙は銀色でポップな印象に!

通常4色に加え今回は、タイトル部分にビビットな蛍光インキを使用し印刷しました。
バックのイエローと文字のピンクはコントラストが強く、インパクトがあります。本のイメージにぴったりなカバーとなりました。
通常出版物のカバーには、PPと呼ばれる傷や擦れを防止するフィルムを貼るのですが、今回は質感のある凸凹した紙を使用したので、フィルムではなく透明なニスを上から印刷しています。これにより紙の質感を損なわず、擦れや色移りを防止することができます。デザインや色だけではなく、たくさんのこだわりが詰まったカバーです。
カバーを外すと出てくる本体表紙も銀色でポップな仕上がりになっています。

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