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日本語はどこから来たのか?(2)

【日刊リーブルレターVol.10】
「日本語はもともと文字を持たない言語である」
これは、グラフィックデザイナーである永原康史さんの著書『日本語のデザイン』の一節です。日本人がどのうようにして文字を獲得し、そこから仮名(特にひらがな)を興していったのか。そしてその独自の文字をいかにして印刷できる文字デザインへと変化させていったのかを、図版をふんだんに掲載しながら綴った良書です。

▲永原康史さん著『日本語のデザイン』

私もデザイナーのはしくれで、かつ出版業に携わっているため、文字のデザインに大変興味があり、日本語を含む文字のルーツについて調べることがよくあります。

日本語は漢字、カタカナ、ひらがなを持ち、かつ漢字の読み方にいたっては幾通りもの読み方が存在し、例え知っている漢字で書かれていたとしてもその読み方がわからない場合もあるという、世にも奇妙な文字体系を持っています。

世界の文字の歴史は、
3000年以上前に「くさび形文字」や「象形文字」が誕生し、
数千年をかけてアルファベットや漢字へと進化してきました。

▲アルファベットの原型となったとされるくさび形文字

 

▲漢字の原型となったとされる象形文字

しかし古代の日本は文字を持たない国でした。日本人は文字をイチからデザインすることを選ばず、お隣の国の漢字を借用することを選びました。2000年前頃、中国から漢字が渡り、その後その漢字を使いながら日本語を無理矢理表記できるように工夫してきたのが現在の日本の文字です。

しかしこれが日本語表記を世界にも類を見ないほどにややこしいものにした要因だといえます。

明日に続く…

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