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小説で読む「箱根駅伝」

こんにちは、
チーフデザイナーの島村です。

1月2日といえば、箱根駅伝!(ですよね?)

私はマラソンが趣味なので、毎年楽しみにしていまして。とはいえにわかファンで、推し選手がいるわけではないのですが、毎年必ず起こるドラマに目頭を熱くしながら観戦しています。

今日はそんな「箱根駅伝」をテーマにした小説を紹介します。(どれも弊社の刊行ではありませんが)

 

 

まずは、私の好きな三浦しをんさんの『風が強く吹いている』

陸上経験のほとんどない10人が同じアパートで暮らしながら箱根駅伝の頂点を目指す物語で、ハラハラドキドキ、笑いと涙を交えた最高のエンターテイメント作品です。やや無茶な設定もありますが、小説ならではのドラマティックな展開となっていて、読書当時はアニメに向いていそうだなと思いました。(実際アニメ化されました)読書初心者でも誰にでも読みやすく、とっても楽しめる作品だと思います。

 

 

 

次は、昨年刊行された池井戸潤さんの『俺たちの箱根駅伝』

これは「学生連合チーム」と「箱根駅伝を中継するテレビ局」の2つにスポットを当てた物語です。池井戸潤さんといえば半沢直樹シリーズや下町ロケットなどで有名ですが、「お仕事ドラマ」を書かせると天下一品で、本書もテレビ局内での人間関係の描き方が痛快で楽しい一冊です。

 

 

 

最後は、この3作の中では最も骨太な作品といえる堂場俊一さんの『チーム』です。

この小説も先述の「俺たちの〜」と同じく、「学生連合チーム」にスポットを当てたものです。とはいえこちらの方が元祖で、本書刊行時は「学連選抜チーム」という呼び名でした。

内容は、この学連選抜チームで「優勝を狙う」という物語ですが、本書のすごいところは、その臨場感!

堂場さんは箱根駅伝経験者なのかと思うほどの取材力と表現力で、道路にあるマンホールや極わずかな傾斜までもトレースされていてレース中の表現は読んでいると息が上がってしまうほどです。

学生連合チーム(旧・学連選抜チーム)とは、予選敗退した大学から好タイムの個人選手のみを選出してつくった急ごしらえのチームです。「そんなチームが優勝なんてできるはずがない!」と思うわけですが、、、その結果はぜひ読んで確かめてみてください。

ちなみに、青山学院大学チームの原監督が2008年に学連選抜チームを率いたことがありますが、このときの順位はなんと4位!過去最高順位でした。『チーム』は実際に原監督に取材して書かれたとのことですので、決して荒唐無稽な物語ではないと感じます。その点でもこの『チーム』の骨太さが光りますね。

 

あと少し、もう少し

 

おまけでもう一作だけご紹介。

瀬尾まいこさんの『あと少し、もう少し』です。

こちらは箱根駅伝ではなく中学駅伝の話で、寄せ集めの6人で県大会を目指す物語なのですが、心象表現が絶品の瀬尾さんならではの描き方で、ひたむきに仲間を思い走り続けるメンバーが胸が高まり涙が出ます。こちらもとってもお薦めです。

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