2012年の12月に高知で活躍しているデザイナーとイーストクリエイツの田村さん
ステンドグラス作家の、moritakeglassのモリタケさんから、
ワクワクする仕事が発注になりました。
その内容は、
「デザインはできたので、あとは任せます!」
みたいな感じで、紙・刷り色・オモシロさ、
この3つを僕にまかせてくれるという話です。
高知のクリエイターの集団、TCG 土佐クリエイターズギルドに、
僕は、印刷工・プリンティングディレクターとして登録させていただいているのですが、
その(プリンティングディレクター)名にふさわしい仕事経験はゼロに等しかったのです。
発注していただいた方にアドバイスはしていたものの、
これほど、まかせていただけることなんて初めてのことで、
驚きとワクワクで心臓がバクバクでした。
まず、印刷をする前に、田村さんがデザインしたものを見て、
発想を膨らませました。
クライアントのmoritakeglassのモリタケさんは、ステンドグラス作家さん。
ガラスを扱う仕事なので、やはり「輝く」というのはポイント。
ただ、ギラギラした輝きは逆にイヤらしい感じになりそうなので却下。
そこで思いついたのが、「バーコ印刷」です。
通常の厚盛り印刷に比べて加工面がランダムで、
ガラス製品を1点1点手作りで作っているクライアントさんのイメージと合致する。
ただ、そのバーコ印刷は自社のリーブルでも出来ないし、
高知県を探してもできるところが無い。
ネットで探して、しっかりしてそうな加工屋さんを見つけたのですが、
発注から納期までの日程が合わず断念。
また、新しいポイント。
田村さんから発注していただき、希望納品日までは3~5日間しかなかったのです。
加工屋さんに何度もお願いをしましたが、通常業務の日ならまだできるけど、
年末の忙しい時なので申し訳ありませんと断られました。
とりあえず、加工屋に外注するのは難しいので、
オフセット印刷を開始!
2色印刷でしたが、この色も指定がなかったので決めさせてもらいました。
とくに、デザインで目立つのが赤。
この赤は、年賀状という日本特有の文化なので、
DICの日本の伝統色のセレクターから「N724」を選定しました。
紙質も、特徴が違う4種類でテストをしました。
印刷の風合いが良くても、後加工との相性が合わないとアウト。
今回のテストではMr.Bmをチョイス。
後加工が外注でできないとなれば、自分でやるしかない!
そう思い、まずバーコ印刷に変わる何かを考えました。
①赤い部分に赤いシールを貼る
僕が次に思いついたのはそんなことでした。
ただ、シール屋さんに打ち合わせに行くと、
10mm以下のカッティングはできないと言われました。却下。
それは、①赤い部分に赤いシールを貼る。の終了の合図です。
困ったと右往左往してるうちに、過去に読んだ本に書いてたことを思い出しました。
②木工用ボンドを塗り盛り上げる
自宅で長女に手伝ってもらい試作を作りました。
まず爪楊枝で作業したのですが、木工用ボンドが爪楊枝にくっついて作業効率が悪い。
そこで僕と長女が辿りついたのがクリップを曲げたもので、
キレイにならしながら塗っていくという方法。
コレはイケる!
はじめはボンドの色で白いが乾燥したら透明になる。
この作業でススメようとした矢先にある問題が発生する。
乾燥したように見えても、それは表面だけで盛り上げた中身は乾燥していない。
そのため、早い時間に重ねると盛り上げた部分が押しつぶされてしまう。
そのため、表面がしっかり固くなるものと考えました。
そうだ!マニキュアがいい!
近所のコンビニでマニキュアのトップコートを購入。
少し冷ややかな視線を感じました…
③マニキュアのトップコートを塗り盛り上げる
すべて手作業で作業しました。乾燥する時はこんなになりました。
こうして出来上がったのが、moritakeglass年賀状2013です。
デザイナーの田村さん、クライアントのステンドグラス作家のモリタケさんこと宮﨑武士さんには、
このような素敵な機会をいただいて感謝しております。
あと一歩、仕上がりを良くすることができたかなと思いますが、
それは次の機会に持ち越しです。
これからも、プリンティングディレクターとしても、印刷工としても、
頑張っていきますので応援よろしくお願いいたします。
レポート 2013年2月12日(火)
株式会社リーブル 製造課長 小石晃弘
デザイナー&クライアント紹介
宮﨑武士 – moritakeglass
田村真弓 – イーストクリエイツ